教員の仕事は大変と聞くけど、人を育てる仕事って奥が深く魅力がありますよね。
一方で、企業人として働く自分が学校現場になじむか不安を持つ方もいると思います。
私は大学卒業後、6年間勤めた会社を辞めて、教員になりました。
その転職は私にとって正解でした。
理由はワクワクが増えたからです。
そして私自身の成長にも大きく影響しました。
この記事におすすめな人
- 現在企業に勤めており、教員への転職を考えている
- 企業との職場環境の違いを知りたい
– 筆者経歴 –
大学卒業→民間企業(営業)6年間→公立高校教諭10年間→民間企業(経理)
転職して良かったこと
飽きない
教員の仕事は答えがないものがほとんどです。
答えがないということは、追求し続けることができるということ。
教科指導では、教科と生徒のつながりにおいて、さまざまな視点から捉えるようになります。生徒も社会も変わり、そのたび学問の役割は姿形を変えることを感じながら仕事をしました。
また、相手は目の前に未来が広がっている若者たち。彼らに、さまざまな世界や生き方、成長について、何をどのように伝えようか、たくさん考えました。
明確な答えが存在しないので、自分が納得するまで深められ、飽きることはありませんでした。
知識・人徳ある人たちに囲まれて仕事ができる
学校は各分野の専門家がいる職場。そうじてもの知りが多いです。職場全体の知識が偏らず、雑談も教養になると思いました。
また人を育てるプロ集団なので、人徳ある人が多いです。絶対に生徒を見捨てない、そして教員同士においても、支えあう精神をもった人たちが多いです。
私自身、よく相談に乗ってもらいました。私の思いや考えを受け止めもらい、様々な視点からアドバイスをもらったことを覚えています。そして私自身も、周りの先生たちの悩み事を聞き、解決策を一緒に考えていたと振り返ります。
”人と関わることに長けた人たち”と居られることも、教育現場の魅力です。
自己成長につながる
これらの仕事内容、職場環境に身を置いて、多感な時期の生徒と向き合う時間は、間違いなく自分を深みのある人へ変化させてくれました。
生徒に還元できるようあらゆる知識を身につけたいと学びますし、人との関わり方について模索し、周りの教員たちとともに共有し学び合います。
そして生徒たちからさまざまな価値観を教えてもらい、人としての成長につながったと実感しています。
教員になる前には持っていなかった視点をたくさん身につけたと実感しています。
給与が安定している
公務員なので給与は景気に左右されません。基本給は毎年上がります。
もちろん高額とは言えませんが、生活には困らない額です。
その他福利厚生等も充実しています。
以上のことから「教員へ転職してよかった」というのが私の答えです。
では、教員になって「想定外だった‥!」と思うことについて、お話しします。
戸惑ったこと
授業以外の仕事の多さ
企業からの転職で、すぐに馴染めなかったこともあります。
その中の1つに、仕事内容が教科指導や生徒対応以外にもたくさんあることが挙げられます。
たとえば校務分掌にや部活動指導、成績処理、課外活動など。中でも負担が大きかったのは校務分掌です。
仕事内容について知識がなかったので、業務の流れを把握したり、要領をつかんだりするのに時間がかかりました。そしてやることもたくさん。
具体的な指示がもらえない時は、先読みはおろか、何をすれば良いかもわからず、もどかしかったです。
校務分掌についてはこちらの記事も参考にしてください。
残業代が出ない
教員の残業代について、少し前に話題になりましたが、改めて、公務員は残業代が出ません。
知ってはいたものの、企業勤めだった私にとっては違和感でした。
初めの頃は「いちいち残業申請を出さなくてよい」「落ち着いて仕事に取り組める」と、前向きに捉えていました。
でもそうしていたら、残業時間は月80時間をザラに超えてしまう状態に‥。
「この時間は給料が出ないのだ」と危機感を持つようになり、効率よく仕事を進めることにマインドシフトしました。
それでも現実問題として、業務量は多く勤務時間内に業務を終わらせるのは不可能です。
抜本的な働き方改革が進むには、しばらく時間がかかりそうなので、ChatGPTを活用するなど個人の取り組み方における努力が求められます。
生徒との距離感
しばらく大人だけの社会にいた私にとって、心身ともに近い距離で関わってくる生徒への接し方は悩むものでした。
教員として冷静過ぎる対応はさみしい気がします。かといってフランク過ぎても立場は友だちではないですからね。
適度な距離感をつかむのに少し時間がかかりました。
子どもの扱いに慣れている人は問題ないと思います!
転職に向けてすべきこと
私の転職は少し特殊なので前置きしておきます。前提として、
・教員免許の取得は学生の頃にしていた
・臨時採用での雇用を考えていた(教員採用試験は受けない)
という条件で転職活動を始めました。その中でしたことは:
- 教育委員会HPで「臨時的任用および非常勤講師の募集」に登録
- 会社の上司へ転職の意向を伝える
- 学習指導要領を「新」に買い替える
- 担当教科の指導方法などを勉強する
です。
けど、それだけでは不十分でした。
以下「やっておけばよかったこと」をお話しします。
教科指導”以外”の仕事について理解しておく
教員の仕事は、校務分掌、課外活動、成績処理、部活動指導・遠征など多岐にわたります。それらの仕事について、理解しておくことは重要です。
なぜなら、「想像していた仕事内容」と「現実の仕事内容」のギャップが大きいほど、負担は大きいから。
私は教科指導、生徒対応ばかりを思い浮かべていたため、働き出してその他の業務に心身ともに追われました。
予想していなかった仕事を頼まれるたび、私はあたふたするばかり。
想定できていれば、もう少し余裕を持って対応できていたように思います。
赴任先の学校について下調べする
採用依頼がきたら、その学校についてリサーチしてください。
というのも、自分の持つ”高校”のイメージは一部に過ぎないからです。もしかしたら、一部というより”自分の出身校1校”と言う方が的確かもしれません。
それほどまでに、公立の小学校や中学校に比べて高校は多様である理由の1つは、選抜を経た生徒たちで作られることが考えられます。
授業では、
「先生、雑談は要らないんで、早く授業始めてください。」という生徒たちばかりの学校もあれば、
「先生、難しい話ばかりしないでゲームしよ。」という提案をする生徒がいる学校もあります。
私の初任校もやはり、自分が想像していた高校とは異なっていました。生徒との関わり方や授業の作り方などにおいて「これでは通用しない」と感じ、勤め始めてから慌てて考え直しました。
勤務が始まる前には実際にあいさつに行き、学校や生徒の様子、雰囲気を見てください。
学校要覧や学校パンフレットなどももらい、その学校が力を入れて取り組んでいることや進学就職実績などを確認して、どんな生徒たちがいるかイメージしてください。
その学校に適する自分の役割をつかむためにも下調べしておくのは大切です。
まとめ
以上、私の「企業から教員への転職経験」についてお伝えしました。
私にとって教員の仕事は、
- ワクワク・探究心をかきたてる
- 教養ある人たちに囲まれ、自己成長が望める
- 給与が安定している
- 経験値、価値観が広がる
ものです。
この記事の内容が、学校の先生になるか悩んでいる方の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
教壇に立っているあなたはどんな姿をしていますか。
応援しています
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