【英語教員必見】授業に使える題材は意外なところにあった?「あの雑誌」が教材に最強!

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教員をしばらくしていると、こんなことに気づきませんか?

教科書を使わないで授業をする場面って意外と多い”。

例えばこんな時:

  • 定期考査まで授業時間にゆとりがあるから、教科書以外の題材を扱える
  • 活動をメインにした授業を実施する
  • 指定教材でマンネリ化した授業に目新しさを加えたい

みなさんは、教科書以外にどんなものを活用していますか

英語科で言うと、海外のニュースサイトや大学入試過去問などを用いることが多いかもしれません。

ですが、いざそれらを扱ってみても、充実した授業につながらなかった経験はありませんか?

例えば、

  • 入試過去問だと解くことがメインになり、淡々としたつまらない授業になってしまった
  • 海外ニュースは一つひとつが長くて、授業内で完結させるのには難しすぎた。また対訳がないので準備に時間がかかる。

など。
普段と異なるものを扱う授業に、教員はもちろん、生徒も慣れていません。授業案をしっかりと練っておかないと、想定外の展開になってしまいます。教員の腕の見せ所でもあります。

そこで役立つのが、本記事で紹介する雑誌。この本を眺めていると生徒の興味の引き上げたり、意欲的に取り組む授業アイディアが生まれてきます。

授業作りに悩んでいる人は、参考にしてください。

この記事におすすめな人

  • 英語授業に使える教材を探している人
  • 生徒が”オーセンティックな英語”に触れる場を増やしたい人
  • 生徒の思考を深める活動を授業に取り入れたい人

『CNN English Express』が授業教材に最強

紹介するのはCNN English Expressです。
英語学習者の間では、常に話題に上がる雑誌の一つでしょう。

英語科教員を退職後、英語力維持のため半年ほど前から読み始めました。

読んでいて感じました。「この雑誌、授業教材として用いるとかなり優秀!」だと。
そのポイントを、本誌の特徴と合わせて紹介します。

『CNN English Express』2024年4月号「CNNとは」より

学習コンテンツとして質が高い

最新で幅広いジャンル=生徒が興味をもつトピックが見つかりやすい

すべてニュース記事なので、あらゆる分野の最新情報が扱われています。

社会・科学・芸術・食・政治・文化・宇宙・国際・LGBTQ・スポーツ・環境・医療・宗教・AI・映画・ノーベル賞・エンタメ・紛争・法律など。

生徒にとっても身近な話題が見つかりやすいです。
あらゆる課題が絡むような難しいトピックを扱えば、考え、議論することに重点を置いた授業にすることも可能

生徒や学習時期、話題性などに応じて選ぶことができます。
多方面のジャンルを網羅するニュース記事雑誌ならではの強みです。

『CNN English Express』2024年5月号「Contents」より

著名人の心に響く言葉を、肉声で聞くことができる

普段は耳にする機会があまりない、海外著名人の声。彼らの肉声が聞けることも『CNN English Express』の強みです。(音声ダウンロードは無料)

例えば、こんな人たちのインタビューは生徒にとっても興味が持てそうですよね?

  • サム・アルトマン
    ChatGPTを運営するOpenAI社のCEO
  • J・ロバート・オッペンハイマー
    原子爆弾の父として知られる理論物理学者(1967年没)
  • Zae-in
    K-POP AIアイドル ETERN!TYのメンバーの1人
『CNN English Express』2024年2月号 中級編「ニュース動画」より

本人の声を通して情報を得ることで、世界の出来事をより身近に感じられます。

また、ノーベル賞受賞者のカタリン・カリ子博士は、半生を語ったインタビューにおいて、次のような話をします。

CNN English Express』 2024年2月号より

悩み多き多感な時期の高校生にとって、こうした話は勇気づけられるメッセージになるはず。

本人の声で聞くことで、より一層強く伝わります

ノンネイティブの話者も多いので、世界を舞台にした時、英語がいかに有益であるかを知るきっかけにもなるでしょう。

英語の4技能を網羅できる

音声・動画・対訳・解説付きなので、組み合わせることで英語スキルをまんべんなく活用できます。

リスニング

『CNN English Express』の音声コンテンツはとても充実しています。

「オリジナルのニュース音声」の他「速度を落としたバージョン」「ポーズ入りバージョン」「語句と意味の読み上げ」などが収録されています。(お伝えしましたが、音声ダウンロードは無料!すごい!)

読解

文中の主要語句と意味文法解説が欄外にリストアップされています。難易度の高い文章読解において助けとなります。

『CNN English Express』2024年4月号より

対訳も全てについているので、限られた時間内でも内容理解がスムーズに行えます。

書く・話す

書く・話すためには、意見を持つ必要があります。

しかし、意見を述べさせる場面で「何を書けばいいか分からない‥」と、手が止まる生徒は必ずいます。でも、この雑誌から生徒の学習レベルに応じたトピックを選ぶと、その数は減らせると感じます。

というのも、記事内容はいずれも、さまざまな要素を包括するトピックだからです。

記事から読み取ったことに対して何かしらの意見を持ちやすいです。

伝えたいことが多くあれば、それだけ書く・話す活動も充実させられます。

分量・レベルにバリエーションがある

ネイティブ媒体を教材として用いる時には、文章が長いことや難易度が高すぎることが障壁としてありますよね。

『CNN English Express』では、初級編・中級編・上級編と記事にレベルが付けられており、量もそれぞれ「少→多」となっています

初級編1記事の音声は30秒前後。
文章量はこれくらいです(見開きに2記事)。

『CNN English Express』 2024年6月号より

「ネイティブの英語に触れさせたいけど、限られた時間では中途半端になりそう」という懸念も、初級編を扱うことで解消できます。

ちなみに、中級編・上級編の音声はそれぞれ、3分前後・5分前後です。

本物の英語に触れられる

生徒が英語に興味を持てない要因の一つに、実生活との結びつきが薄いことや実際に使われている場面をイメージしづらい、ということが挙げられます。

ネイティブの英語に触れさせたいものの”生きている”英語を教材として使うことってあまりないし、教員にとってもハードルが高いですよね。

その点、前述したように『CNN English Express』はコンテンツの量が選べるし、実際の音声や、対訳があるので、取り入れやすいです。

海外のニュースや映画を見ているとき、学んだ単語や文法に遭遇して感動を覚えた経験は、英語学習者なら誰しもあるはず。

生徒にも「あ、聞き取れた!」「昨日学んだ文法が使われている!」といった、知識が結びつく経験を多くさせたいですよね。

本物の海外ニュース番組を見せ聞かせられることは、世界に目を向けるきっかけにもなり、英語学習に前向きになれる可能性を秘めています

英語が生きているものとして感じられ、興味を持つ対象に変わるはずです。

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次は、そんな良いことづくめの『CNN English Express』を、教材として使うデメリットをお伝えします。

『CNN English Express』を使うデメリット

難易度が高い

英語レベルが示されていると言っても、ニュース英語はしゃべりが早いですし、使用単語も相対的に難しいです。

上級編に出てくる単語は、英検1級レベルです。

授業での使い方を誤ると、生徒の中には「やっぱり英語無理‥」と嫌いになる子が出てくる可能性もあります

記事選びや授業への取り入れ方には工夫が要ります。より身近で興味を持てる記事を扱ったり、活動を絞ったりして(リスニング・ディクテーションに特化するなど)活用したいですね。

一方で、英語が得意な生徒にとっては力を引き上げる教材として使えます。

ハイレベルな英語に触れることで基礎力が高められます。

難易度は高いですが、授業への取り入れ方にアレンジを加えることで、どんな生徒にも対応する、英語への興味を高められる授業教材となるでしょう。

『CNN English Express』「EEの手引き」より

トピックの背景知識を、自力で勉強する必要がある

教科書には指導書がついており、題材の背景や抑えるポイントなどが明確にされていますよね。

『CNN English Express』にはもちろんそのような指南書はありません。記事内容によっては、予備知識を自力で得ておく必要があります

ですが、本冊子にはありがたいことに「ニュースを深掘り」という補足コーナーが、設けられています(日本語で解説)。民族や宗教、歴史など、背景知識がないと理解が難しい記事には大体ついています。それだけでも、かなり理解の助けになります。

本文デジタルデータがない

音声や映像コンテンツはありますが、文字データはありません。

プリントやスライドなどで本文を用いる場合には、スキャンなどで文字の読み取りが必要になります。

本代がかかる

実費で購入となるので、本代はかかります。
ですが、1冊 税込1,375円なので、必要な月だけ購入すれば、困るほどの出費にはなりません。

では実際に、授業ではどのように使えるのか見てみましょう。

授業教材として活用すると

授業例

 授業の流れ例(2時間目安)

  1. ニュース音声を流す(数回)
  2. 聞こえた内容や部分的に理解した事柄を、ペア・グループで確認させる
  3. キーワードを提示(意味も含め)
  4. 再度音声を流し聞き取らせる
  5. 記事内容について英語で質問する
  6. ペア・グループで意見交換させる
  7. 本文提示
  8. 文法事項を押さえながら大意をとる
  9. 聞く+音読活動
  10. 記事に対する意見を英作文させる
  11. 書いた内容をもとにペアやグループで発表
  12. (題材により)意見交換・ディスカッション・プレゼン・ディベートなどに発展させる

これは一例です。

お伝えのように、『CNN English Express』のコンテンツは音声や映像、記事本文、その他特集ページなど充実しています。
あなたの授業スタイルに合う使い方を、イメージしてみてください

こんな授業にできる

意欲的に取り組む授業

実際にアメリカで流れているニュース音声であることを生徒に伝えると、興味がわき聞き取ることに意欲的になるでしょう。

生徒が興味をもつトピックを選び「〇〇についてのニュースだよ」と事前に情報を渡すことでも、聞き取ろうと努力するはず。

そしてネイティブ英語を聞き取れたら自信につながることは間違いないですよね。

扱う記事内容を、あらかじめ生徒に選ばせるのも能動的な姿勢につながります。

ジャンルの希望を聞いたり、記事タイトルを見せてその中から気になるものを選んでもらうなど、できそうですね。

英語・世界への興味につながる授業

生徒の興味を持つ話題が、アメリカのニュースではどのように伝えられているのか知ることで、視点が変わり興味が深まるでしょう。

実際のニュースの音声や動画に触れることで、英語に対する抵抗がなくなると同時に、海外の出来事をより身近に感じるようになるかもしれません。

世界の出来事や文化、歴史、民族、科学技術などに意識が向くようになると、言葉通り”世界が広がります”

インスタでは海外投稿者をフォローしたり、洋楽をYoutubeを見たりする生徒が増えるかもしれませんね。

能動的に参加する授業

生徒にとって身近なトピックであれば、意見を持ちやすく、意見があれば、書く・話す活動においても積極的になれます
自分の意見をアウトプットするためには、深い思考も必要になります。

いろんな側面をもつトピックも、活発な議論につながりやすいでしょう。
生徒それぞれがニュースのさまざまな側面を切り取って意見を出し合えば、能動的な授業のできあがりです。

探究心を育む授業

読み応えがある記事内容ばかりなので、背景について深く理解したり考えたりと、知的探究心が強まります。

あらゆるジャンルを扱うことで、生徒の進路選択につながるきっかけもあるかも知れません

まとめ

『CNN English Express』2024年4〜6月 表紙

『CNN English Express』は、英語授業のアイディア出しに最強な雑誌です。

元同僚に会った時
「この雑誌、英語の授業に使えそうだよね。」と話したところ
「何これ、めちゃくちゃいいじゃん!今日買って帰ろ〜。」と言っていました。

生の英語に触れさせたい。
世界に目を向けて欲しい。
議論を活発におこなって欲しい。

と願う先生の、授業構築の役に立てばと思います。

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先生の英語学習にも役立つ雑誌です。
英語スキルの向上教養を深めることも叶います。
純粋に雑誌として楽しめて、私はもう手放せません。

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