心が折れる‥生徒からの言動|経験談と前向きに乗り越える方法

高校教員の仕事
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生徒と日々向き合っていると、時としてグサリと突き刺さることを言われたりしますよね。

若さ、素直さゆえに、ダイレクトな言動をとることは理解しつつも、教員をしていた私はしばし、自己嫌悪に陥り、劣等感に潰されそうになりました

この記事では、落ち込んだ気持ちを切り替え、モチベーションを取り戻すために心がけたことをご紹介します。

経験談からお話しするので、乗り越え方について知りたい方は、「物事の捉え方、考え方を変える」まで進んでください!

心が折れた経験談

うぅっ、とダメージをくらった経験をいくつかご紹介します。

読みながら共感していただける方がいることを願いつづります。お付き合いください。

Ep.1 作成したプリントに酷評

思いを込めて作った授業用プリント。伝えたい内容がたくさんあり、丹精込めて作りました。

配布したらある生徒が

「うわ、何これ?読む気にならん。」と酷評。

生徒にとっては情報量が多すぎたんだ。あれもこれも文章を書きすぎたんだ。

はい、生徒観の把握不足を反省します!

Ep.2 私の授業をサボる生徒

私の授業で決まっていなくなる生徒。

会った時には「あなたが授業にいないとさみしいよ、出席してほしい。」と声をかけるも「お腹が痛いんで。」と保健室へ向かう。

養護教諭から、”あなたの力不足”、的な冷ややかな視線、空気を受け取る。

はい、求心力ない授業を反省します!

Ep.3「前の先生の方がよかった」発言

他の教員との比較、こたえる。
自信に満ち溢れていたとしても、こたえる。

「私前の先生の方が好きだった」とある生徒が言っている声が聞こえて、息が詰まる。

その生徒の近くにいた別の子が

「えー、私今の先生のほうがいい。」

と言っているのを聞き、息が吸えた。

そう、人それぞれに”合う合わない”があるのだ。

ダメージを受けすぎた自分を反省


続いて同僚教員の経験談もご紹介

Ep.4 アドバイスがパワハラに転換

私が憧れる先輩教員。情熱を持って生徒を叱れる”正義の味方”的存在。

そんな先輩が、叱咤激励のつもりで生徒に話したことが、パワハラと扱われたらしい。

なんてこった‥。何もかも優しくオブラートに包むことが優先される世の中だ。

Ep.5 掌を返した生徒

ある校長の若かりしころの経験談。

部活指導を通して信頼関係を築いていた(と思っていた)生徒が、ある一言をきっかけに豹変。収拾がつかないほどに敵対する態度を取るように。

築いてきた関係性が嘘っだたかのようで、軽い人間不信になった、と語っていた。

所詮教員と生徒の信頼関係なんて、砂の城のようなものだ。

Ep.6 集団で笑いものにする

後輩の経験談。教員の姿を捉えると、生徒数名がこそこそ笑いながら見てくるとのこと。

いや〜な気分になりますよね。

「いいですよ、どうぞご勝手に」くらいの気持ちで堂々としていればいいのだけど、そういう行動は人を傷つけるのだということに気付かせる必要もあり、対応方に悩む。

まぁ教員なんて、いじられる格好の標的ですからね。


などなど。

いや、もっとキツいことはあるんですけど、書きながらまたブルーな気分になるので、このくらいにしておきます。

言いたいのは、そんな心が折れる経験はみんなしているということ。

もし思い悩んでいる読者がいたら、自分だけではない、と思ってもらいたいのです。

物事の捉え方、考え方を変える

で、悩んでても仕方がないので、前向きに仕事に向き合えるよう心がけていたことを紹介します。

その出来事はささいなもの

気になることがあったらそのことばかりに考えてしまうもの。

でも、その出来事は全体のうちのどれくらいを占めるか考えた。仕事全体を100としたら、せいぜい数%なのでは。

もちろん気に掛かることがなければもっと気持ち良く仕事ができます。でもどんな職場でも引っかかることの1つや2つは必ずあります。

その数%ばかりに気を取られて、ほかにある良いことをないがしろにしていたらもったいない。

解決に向けた心がけは大切だけど、残りの大半の部分も大切にするよう意識を変えた。

かつて高校生だった自分は?

自分が高校生だった頃を思い出してみた。

穴があったら入りたくなるような、大変失礼なことを私は先生に言ってた、やってた‥

あるいは、言わなくても思ってました。かなり偏った自分中心の考え方で!

読者の皆さんが私のような幼稚な考え方をする生徒だったとは言いません。

でも、教員に対して、馬鹿げた不満の1つや2つ、持っていたことはありませんか??

それです。その思いを持った子が今自分に目の前にいるだけのことです。

深い意味も考えずに。

だから(的を射た意見は真摯に受け止めるにしても)、生徒の言動に過度に振り回される必要はないと考えるようになりました。

教員としての自分の存在意義

生徒にとって教員も、人間関係を学ぶ教材の一つ。

生身の人間として見てもらうことに意味があるのだと考えれば少し気が楽になりませんか?

生徒にとってイヤな存在であったとしても、「学べ」くらいに強い気持ちをもつ。(極端に失礼な態度はNGデス)生徒は苦手な教員との関わりからも、何かしら得るものです。

あんなやつでも公務員として働けるんだ、と勇気をもってもらえるかもしれません。

また、1人の生徒に必要とされているのであれあば、それは十分に意味のあること。

いろんな教員がいてこそ、学校は成り立つものです。

ある生徒にとっては馬が合わない教員でも、別の生徒からしたら唯一心開ける存在だってこともある。

不器用ながらも一生懸命に立ち振る舞う教員の姿は、同じ悩みを持つ生徒にとってはヒーローのように映っているかも。

なので「自分は自分のままでいい」ということに考え方をシフトした。
そのままでいてこそ、存在意義があることに目を向けるようにした。

自分自身を認められずして、同じ悩みをもつ生徒をどうやって勇気付けられよう?

原因は自分にあると思い込みすぎない

うまくいかないことが続くと、自分の力不足、資質不足だと落ち込んでしまうもの。

でもそれは本当に自分のせいなのか?勝手に自分でそうだと決めつけているだけではないか?

そのことを教えてくれたのはかつての同僚。

「私なんて‥」と卑下していた時、「それって原因は君じゃなくて○○なんじゃない?」と冷静なトーンで指摘してくれた。

その言葉は、当時の私にとっては目から鱗だった。

もしかしたら、自分ではないところに原因があるのかも。

そうなったら答えはシンプル。打つ手はありません。つまり、自分ではないところにある原因は変えられません。

変えられるのは自分だけ。自分の行動だけ。

本当に自分のやり方がいけないのか、疑ってみることも大切です。

心を軽くするためにやったこと

自己分析・課題分析

客観的に見て、自分に課題があると思ったことは解決する努力をしました。

教員としての自覚を持って、必要な資質は身につける、磨く。

教科スキル、コミュニケーションスキル、統率スキル。

自分の能力不足は真摯に受け止めて、自分ならできる!とあきらめず努力することで道はひらけます。

信念を持つ

公平性・平等性・倫理観を磨いて、信じられる自分を作る。

「自分の考え方は間違っていない、やり方を誤っただけ。」と思えたら、前向きな解決方法が見つかりやすくなります。

過度に周りと比較しない

学校って横並びの組織体制で何かと物事を比較しがちな環境。

生徒も教員を比べる発言をよくする。

また学校の先生は人格者ばかり。気がつくと私は無意識に周りの先生と自分を比較して、劣等感を持っていました。

でも、先にも述べた通り。

あなたはあなたにしかできない役目があるんです。

周りの能力に気を取られるのではなく、自分の能力を認め育てましょう。

読書

先人たちの教えを乞う、視野を広げるために、本の世界へよく飛び込んでいました。

読んでいたのは、教育と異なるジャンルの本。

教育関係の書籍は、教育者としての心がけや、模範となる指導方法の宝庫。だけどプロは凄すぎて、読めば読むほど自分はできていない‥と逆に落ち込んだりしていました。

指南書として勉強するのは大切だけど、気分が落ちがちな時は、全く異なるジャンルの本を手にしていました。

視点が変わり新たな発見が得られ、結果、前向きになれていました。

心落ち着くのは齋藤孝さんの本。ニュートラルになれます。

メンタルを前向きにさせてくれるのは精神科医樺沢紫苑さんの本。

広い世界に連れて行ってくれるのは哲学の本。

小説も、人の気持ちを追体験するのによいです。

先輩の話を聞く・周りに相談する

先輩たちは想像以上に修羅場をくぐってきていたりします。
それらを聞くと「自分、まだまだですね。」と勇気をもらえます。

そして相談することはやっぱり大切。

教員は人に寄り添うプロ集団なので、その手においては間違いない相談相手です。
もちろん、家族、友人など教育関係でない人たちからもらうアドバイスも有益です。

運動する

運動と精神の関係性ってかなり強いんです。専門分野から立証されており、私の周りでもメンタル強い人は大体運動を習慣にしています。あるいは体を動かす人は、明るい、元気なひとが多いとも思います。

体を動かすことがこころに影響するということを知って、私もできるだけ体を動かすようになりました。習慣化することでポジティブに物事を考えられるようになった気がします。

私は家に帰ってエクササイズ動画を見ながら15分体を動かし、入浴前にダンベル運動、お風呂上がりに体幹トレーニングをしてリフレッシュしています。

まとめ

人間関係作りが根幹にある教育現場。

いろいろな価値観を持つ集団の中、気分を害するやりとりが発生することは避けられません。

でもむやみやたらと悲観的にならないよう、自分をコントロールすることが大切だと経験して思いました。

そして、自分を肯定することも!!

私なりの、前向きになれるよう取り組んできたことを紹介しました。

対処法が見つかり、悩んでいる方の気持ちが楽になることを願います。

最後に、おすすめ本を少しだけ紹介します。

外せない!教育者向け本
『新編教えるということ』 大村はま
『AさせたいならBと言え』 岩下修
『「学び」の構造』 佐伯胖
『だから英語は教育なんだ: 心を育てる英語授業のアプローチ』 三浦孝
視野を広げる本
『本には読む順番がある』 齋藤孝
『精神科医が教える ストレスフリー超大全』 樺沢紫苑
『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』 岸見一郎・古賀史健
『夜と霧』 ヴィクトール・フランクル

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