体育祭など普段の学校生活と違う場面では、生徒へ伝える内容も視点が異なります。
どんなことを話そうか迷いますよね。
- 生徒を鼓舞すること?
- 盛り上げること?
- 叱る場面もありそう。
この記事では、体育祭を通じて取り入れたい、生徒との会話や関わり方についてお伝えします。
準備期間
目的を明確にする
行事に向けた本格的な準備に入る前に、体育祭は何のためにやるのかについて触れておきましょう。
目的をもって取り組むことで、生徒の成長を促す行事の役割が大いに発揮されます。
普段の学校生活とことなる行事は、生徒の葛藤や他者理解におおきく影響しますからね。
目標なく漫然と過ごすことはもったいないです!
行事を通して
- 身につけたいこと
- 力を入れたいこと
- 挑戦したいこと
などをもとに、個人の目標を立たせて、体育祭の意義を見つけるきっかけを作ってください。
そのときに、教員のあなたの体験談も話してください。
今でも印象に残っているエピソードはありますよね?
それらがどんな学びにつながったかを伝えてください。生徒はイメージを持ちやすくなります。
気づきを伝える、葛藤を共有する
生徒たちの様子を日々見て、気づくことがたくさんあると思います。
リーダーや委員など役割のある生徒個人に、あるいはクラス・学年といった全体に対して、変化(成長)や課題など気づいたことを伝えましょう。
本人たちのやる気を起こさせ、成長、達成感に結びつけるのには、教員からの筋の通った指摘は欠かせません。
褒めることもあれば、厳しい言葉をかけることもあると思います。
叱るとき注意すべきは、ダメ出しする対象は人格ではなく事実とすることです。
例えば、役割の仕事をなかなか進めずにいる生徒がいた場合。
本人が「準備が間に合わないです」と相談してきたときに、「あなたの計画性のなさがいけない。」と本人の人格を否定するのはNG。
「間に合いそうにないのか。それはまずいね。」と”間に合わない”事実を否定するようにしましょう。
そして、どうすればいいか?何ができるか?と本人の課題解決に向けてサポートしましょう。
議論させる、生徒同士の話し合いの場を設ける
準備段階では、生徒の悩む姿や、計画通りに進められない様子、生徒同士ぶつかる光景を目にしますが、できるだけアドバイスや方法を提示しないようにしましょう。
生徒自身に多くのことに気づかせ成長させることが教員の目標です。
そのために、生徒同士が話し合える機会を十分に取れるマネジメントの方に注力しましょう。
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実践することで、自発的に議論する生徒たちへと変わります。
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前日
本番前日は気分が高揚するもの。落ち着かせ、安心させることを心がけましょう。
盛り上がることはいいことですが、行きすぎると無茶な行動をと取りかねないからです。
少しだけその気持ちを落ちつかせられるよう、事務的な連絡事項を普段通り伝えましょう。
睡眠しっかり取って体調整えてくること、飲み物・タオルなど忘れ物ないように、明日の準備担当になってる部員はよろしく、などなど。
また中には、本番がうまくいくか不安に感じる生徒もいます。
これまで十分やってきたことを伝えて安心させましょう。
当日
朝HR
節度ある行事にしようということ、満喫しようということ、先生も楽しみだよということを伝えて、生徒たちがのびのびと体育祭を作り上げられる声かけをしましょう。
- 楽しめよ
- 個人の満足に執着せず、みんなが一体となって、酸いも甘いも満喫しろ
- 周りを責めるなよ 理不尽も楽しめよ
- そして、楽しませてくれ
当日私はこのような言葉をかけていました。
終礼HR
得た結果を全力で肯定しましょう。
順位が優勝でも最下位でも、その中に活躍した生徒たちがいさえすれば、それは褒め称えることに違いありません。
最下位取った生徒たち、よく頑張った!でいいんです。教室に入るなり「最下位、やったーー!!!」でいいんです。
勝者は、感情が動いた瞬間を持った人(うれしい思い・くやしい思いをした人)です。
それは、行事に集中できていた証拠、自分のやるべきことを成し遂げた証拠だからです。
成長できる時間を過ごせたね、と伝えましょう。
そして行事に入る前に書いた、自身の目標に対してのフィードバックをしましょう。振り返ることで学校行事を有意義なものにしてくれます。
最後に、教員自身、生徒たちの活躍ぶりに感動したことを伝えましょう。
「楽しませてくれてありがとう」、「パワーをもらったよ」と伝えましょう。
まとめ
教育活動において、学校行事の持つ力は底知れないと感じています。こんなふうに、心をぶつけ合える集団活動って、大人になったらもう経験できないじゃないですか。
その経験あってこそ、他人の気持ちを推し量ったり努力の大切さを考えるようになったと思います。
だからこそ、その時間を無駄にはさせたくない。
また、こんな純でキラキラした場面にいられるのって、教職の特権です。
業務がありすぎて、心身余裕がないという状況だとも思いますが、先生も楽しんでください。
教員チームで競技に出場する先生、GOOD LUCK!
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学校行事の仕事や心構えについてはこちらの記事も参考に
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